心臓弁膜症の日記ブログ

2022年心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)と診断されてからの病気の経過や治療についてを綴ります。自分の記録として、また、だれかのお役に立てればと思い、記録を残すことにしました。

心臓病オンライン講演会に参加して

3月15日にこちらのオンライン講演会に参加しました。今回は参加した感想などを書いてみたいと思います。

<心臓病のもやもやを語る夜>/with Heartプロジェクト主催

ppecc.net

講演は、心臓血管外科医の立石実先生が「医師のもやもや」についてお話してくださいました。とってもすてきな先生でした。

患者の立場でも、もやもやすることって本当にたくさんあると思いますが、やっぱり医師をはじめ医療従事者の方々にもたくさんあるんですね。(;^_^A 患者のわたしも、お世話になった病院、先生、その他の医療従事者のみなさんにはとってもお世話になって感謝しかないのですが、それでもやっぱり自分の病気についてモヤること、ありました。

講演会のあとの交流会ではそんな話をお互いにあーだこーだおしゃべりしたのでしょうね。(わたしは交流会には個人的な都合で参加しませんでした。)立石先生も講演の中でおっしゃっていましたが、同じ立場や同じような経験をしたもの同士のつながり、やりとり(ピアサポート)はとても大切だと思います。わたしも、他の心臓弁膜症の交流会で知り合った方とつながれて、時々やりとりをさせていただくようになったことは、とても大きいです。

さて、立石先生の講演の中で、なるほど、とか、そうだなと感じたことについて、いくつかご紹介します。ただし、これらはわたしの理解ですので、もしかしたら先生の主旨とは、ずれていることもあるかもしれません。その点、ご了承ください。

★病状などをスケールで可視化

これは、患者には心配性の人と楽観的な人がいるという話題で話されていたことです。医師と患者では、病状の進行度の認識が異なることが多いそうなのです。どうして異なることが分かるかというと、病気の進行度をグラフにしたものを使って、自分は現在どの段階だと思うか客観的なかたちで尋ねるから比較できるのです。

講演で示されていたのは、こんなグラフでした。これは心不全の進行度を表したものです。

www.nhk.or.jp

この話を聞いた時、わたしもこうして説明してほしかった!と思いました。わたしの場合、手術に至るまでの診察で、自分の病状を把握するのがとても難しかったからです。弁膜症は症状が出ていなくても進度が厳しくなっていることもあると思うので、特にグラフやスケールなどを使って病状を把握するというのは、患者にとって非常に役立つと思います。

わたしもリハビリの際には、疲れ具合を具体的な表現で書かれた10段階ぐらいの表で、確認されていましたし、痛みを可視化する同じような表もよく使われているとは思うのですが。病気の進行度の説明では、このような客観的な尺度は使われませんでした。

★運動量のもやもや解決?「METs」

先生に「運動してください」と言われても、いったい何をどのぐらいしたらいいのか分からなくてもやもやする…という患者の声に対する回答として紹介してくださったのが、この「METs」です。すでにご存じの方も多いのかな?わたしは知らなかったのですが。

sports.go.jp

わたしは、どちらかというと体を動かすのはきらい、家にいるのが大好き人間なので、リハビリ散歩も寒くなってからはすっかり滞りがちになっています。でも、この「METs」表を見ると、家事をもう少しきちんとやってみようか、とか、運動できない自己嫌悪からも逃れられるかもしれません。(;^_^A

★自分の病気を言葉にすることの大切さ

上記の病状スケールや「METs」も関係してくると思うのですが、病気って掌に取り出して、自分であれこれ見たりすることができないので、やはり言語化することが病気と向き合うためにとても大切なことではないかと思いました。進行度はどうなのか、どうするとどこかどのぐらい痛いのか、などはもちろん、病気のもやもや、病気に対する自分の気持ちなども言葉にしてみる。わたし自身もできていなかったことが多かったけれど、もっと言語化できていれば、精神的にももっと楽だったかもと思いました。

この話題で先生が紹介なさっていた参考図書はこちら。「当事者研究」って言葉、初めて知りました。いつか読んでみたいです。

Amazon.co.jp: 当事者研究――等身大の〈わたし〉の発見と回復 : 熊谷 晋一郎: 本

★HealthからWell-Beingへ

最後におっしゃっていたのが、「Well-Being」を大切にというお話でした。「Well-Being」とは世界保健機関(WHO)によると「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。」(下線部が「Well-Being」)とあります。立石先生も、身体の健康を考えるだけでなく、心の健康、人や社会とのつながりなど「Well-Being」を大切にしましょうとおっしゃっていました。心に残った言葉は「病気があること=不幸、ではない」。ホントにそうなんですけど、改めてそうだよなと思いました。

というわけで、今回は講演会に参加してみての感想などをお伝えしました。

わたしは今、花粉症が絶好調で、くしゃみ、鼻水、目のかゆみがエンドレスな日も多く、頭が朦朧としてたりしますが、やっと暖かくなってきたのでほっとしています。みなさんも季節の変わり目、体調に気をつけてお過ごしくださいませ。